北の木工機械屋さん

北海道から世界を駆けるコーエキ社長のブログ  仕事のことからプライベートまで何でも記録しよう!

2012年06月

飛騨高山の家具工場を見学しました。
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創業90年を超える日本有数の家具メーカーの一つで、”曲げ木”技術、”圧縮”技術に代表される独自の技術を培ってきた”キツツキ”マークの会社です。私の地元旭川家具と同様に”無垢”の木の温もりを大事にし、職人魂がこもった家具を作っている印象を受けました。

昨年建設されたばかりという新工場を見学しました。
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最初に目についたのは工場外に設置された井上製のバグフィルター2基とサイロ。環境への取組みも盛んで、ペレットボイラー、木屑炊ボイラーを導入しバイオマス燃料で工場の暖房、乾燥機を賄っています。

工場内は・・・広い!ですが、機械が所狭しと並んでいてその隙間を職人さん達が忙しく動き回っています。”ペック”の生産方式を導入し工場のムダを省いているそうです。一人の人間が何台も汎用機械を使いこなし、仕掛品を持たないよう、製品在庫を持たないよう効率化を図る生産方式です。工場のスペースを通常の半分から1/3に縮小する効果があるというからすごい。

現在国産家具産業は国内マーケットの8割のシェアがあるそうです。残りの2割は輸入家具です。ただし、この輸入家具が毎年1%シェアを伸ばしているそうです。単純計算すると10年後には輸入の割合が3割、20年後には4割・・・・・
日本の家具製造が継承されていくようお手伝いすることが我々機械屋のミッションです。

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ウェールズのEmlynという町に泊まりました。朝早くに起きて散歩しました。こじんまりしていますが、水質豊かな川が町の中を縦断している緑豊かな古い町です。丘のほうに上がっていくと・・・古い遺跡を発見しました。ヨーロッパを訪れると、町の至る所にこういった古い遺跡または建造物が保存されていることに驚かされます。この遺跡は、ノルマン人によって12世紀に建てられた城跡(いわゆる”ノルマン征服”)で、その後ウェールズ人が奪取したそうです。

ウェールズの製材所を訪れました。
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工場のオーナーに案内してもらい話を伺いました。現場叩上げのオーナーさんであらゆる数字と生産の状況が頭に入っています。「昨年一日当たりの製品生産量は平均86立方、歩留りは56%。以前の機械にはチップキャンターが付いていなかったがその時歩留りは64%だった。今はチップキャンター付ツインを2009年に導入して歩留りが落ちたがその代り生産が3割上がった。今カラマツの4.9m材を挽いているが、2.4mを挽くと歩留りが4%上がるんだ・・・その代り生産量は75立方・・・」 オーナーのカレンダーにはその日の製品出来高と歩留まりがびっしり手書きで書きこまれていました。

機械も古くなっていましたが、一度に新しい機械を入れ替えるのではなく、その時々の状況に応じて少しずつ設備投資をしているそうです。「次はソーターブースを買って、その次はスタッカーを買って・・・ギャングも欲しいな・・・いやいやその前に原木を仕分けしたいから選木装置を買うか・・・金がかかる!」とオーナーさんは頭を悩ませておりましたが、なんだか楽しそうです。まさにオーナーの思いがこもった手作りの製材工場でした。

毎日雨続きのイングランドに来ました。

日本で今話題のLCCはイングランドでは当たり前の様に飛び回ってます。ロンドンのStansted空港にはLCCのキャリアばかり集まっています。フライトの変更ができないとか、座席が狭いとかクレームをつければ限がないですが、安けりゃいい!どうせ寝るだけだ!という人には最適ですね。今回はイギリス~北アイルランド間の往復に使いました。
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北アイルランドに製材工場?!なかなか木材と結びつかない国ですが、森林があるところに製材所はもちろんあります。
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見学した製材工場はヨーロッパでは小規模ですが、原木で年間3万5千立方、一日150立方平均の生産量です。年間の稼働日数を日本ではおおよそ260日で計算しますが、ここでは220日です。日本人は本当に良く働きますね。この工場の主製品は、フェンスや杭です。

ライン構成は、帯鋸の本機が一台、次に丸鋸のギャングが一台。あとはソーターブースと積込装置だけ。シンプルで合理的な工場です。工場内の作業員は5名ほど。

ここのギャングはエジャーも兼ねていて、耳付の側板が来た時にはオプティマイザー機能の付いた耳すりに、200㎜までの厚い主材が来たときにはギャングにと、器用に1台2役の働きをしてくれます。さらにチップキャンター付です。

工場のオーナーさんに話を聞きました。「大量生産工場には量では勝てないが、お客さんの少量の注文にも即座に応える生産体制を作ることで、他の工場との差別化を図っている。」顧客も大手ではないようですが、古くからの良いお客さんを大事にし続けているようでした。家族経営の製材所ですが、オーナーの目が隅々まで行き届いたコンパクトで合理的な工場でした。

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