巨大な乾燥機
"aurorazai"
今回お邪魔したフィンランドの製材工場の製品ブランド名です。日本風にアルファベット読みしてみましょう。日本語なんです。 ”オーロラ材”。 この業界の方ならご存知の方も多いはず。おそらく北欧で一番集成材やラミナを日本に輸出している会社です。
国産材の利用、円安の影響で厳しい状況のはずの外材ですが、営業の方にお話を伺うと、積極営業の姿勢を変えていません。「ダグラスファーがエコポイントに入った!」と、私も知らない日本の最新情報を教えてくれました。
そんなオーロラ材を乾燥しているのが、ヘイノラ社の乾燥機です!
実は今年からヘイノラ社、乾燥機を発売開始ました。
乾燥機への投入部、乾燥機本体、搬出部の3棟に建物が分かれています。 全長でなんと104mの長さがあります! 乾燥機本体だけで、34m。 製材工場で乾燥用に桟積みされるのですが、一梱包が約14m3。12梱包を一度に乾燥する能力がありますので、全体で168m3を乾燥可能です。 年間に40000m3を乾燥できます。
上の写真は乾燥機から出てきた搬出部の建物です。大きなフィンランド人が小さく見えますね。 投入、乾燥、搬出までオートメーションシステムで制御されています。
含水率12~13%にしっかり品質管理されていました。
こんな巨大な乾燥機は日本では需要がないかもしれません。ただ、”外材”で攻勢をかけてくるヨーロッパの木材会社の設備というものはどういうものか、知っておくべきでしょう。
高速エジャー
12月のフィンランド。一年の中で最も日照時間が短い時期。いつも真っ暗で気分も滅入る。。。 ただ、私が訪れた日は超快晴!(日頃の行いが良いからでしょう・・・)
製材工場に隣接する大きなボイラー施設は、実はこの町が所有しているもの。この町に住む住民の家や各公共施設に至るまで、このボイラーで暖房を賄っています。北欧にはこの様に、小さな町でも町有のボイラーが必ずと言っていいほど存在しています。そしてその多くは、木質の燃料を熱源としています。
今日ご紹介する機械は、ヘイノラ社のエジャー(耳すり機)です。これまでのヘイノラ社のエジャーは、毎分350mの高速製材を可能にし、およそ毎分30枚の板を耳すりすることができました。
この夏に新発売されたエジャーは、なんと毎分45枚の製材を処理することができます! およそ1.3秒に一枚の処理能力ですから驚きのスピード感です。 しかも、オペレーターさん不要。ノーマンです。 その秘訣は・・・スキャナーを上下に搭載したので、従来のように板をひっくり返す必要がありません。
ヘイノラエジャーのもう一つの大きな特徴は、スキューソーイング(斜め挽き)。従来のスキューソーイングにプラスして、挽き肌向上のために、エジャー本体の向きを板の方向に合わせて製材します。つまり本体が微妙に左右に動きます・・・
よくわからん!と言う方はドシドシお問合せください・・・
カーブソーイング
ノルウェーとスウェーデンの国境沿いにある製材工場にお邪魔しました。
ノルウェーに降り立つのは初めて!です。オスロ空港に到着してまず目にしたのは、巨大な免税店。どこにあるかわかりますか?到着ロビーに出る直前の荷物受取所。自然と多くの人々が免税店に流れていきます。ノルウェーは、”最も税金が高い国”。ギネスブックにも載ったことがあるとか。”家に帰る前に免税店でショッピング”がノルウェーでは常識のようです。
今回お邪魔した製材工場の機械設備は20年以上経っており、一部機械更新がこの夏に行われました。当社が日本で販売しているヘイノラ社の製材ラインです。写真の家は製材工場の事務所です。北欧っぽいですね。
今回の機械更新で『カーブソーイング』システムを製材ラインに取り入れています。丸太はどうしても曲がっているもの。その曲りにならって製材するシステムです。日本の製材工場でもツインテーブルで、人の手によって曲りに沿って製材しているところもありますが、ヘイノラ社は自動ラインで曲りを製材してしまいます。
まずスキャナーで曲りを測定し、チップキャンター→ロータリーギャングの順でタイコ材を投入します。機械の前後のローラーで絶妙に曲りに沿って丸太を進めていきます。出てきた製材、曲がっているのがわかりますか?
カーブソーイングのテクノロジーは日々向上し、精度も上がってきました。
ノルウェーはオイル産出国。豊かな福祉国家を支える大事な産業です。オスロ空港は、そんな豊かさを象徴するように、贅沢な空間に、ふんだんに木材を使っています。